QM2 クルー(乗組員)模様さまざま

QM2は乗客2500人、クルー(乗員)1300人の大所帯です。

単純計算をすると、お客2人に対して、1人のクルーが付くのですから
至れり尽くせりと、思っていたのですが、これが大間違いでした。
この数字は、あくまでも平均値に過ぎず、グリル(いわゆる1等船室)には、
1.5人に1人以上付いている部屋もありましたので、
その他大勢、つまり大多数のお客にはさほどのサービスはありません。

船のランクを決める1つの基準が1人当たりの従業員数で測る方法がありますが
これも1つのトリックでしょう。

クルーの7割は、フィリピン人で占められています。
彼らは英語を義務教育の一環として学んでいるので欧米人対象のサービス業には
適しているのです。

とはいえ、ほとんどが清掃や、キッチンでの下働きです。
ごく一部の恵まれた才気の持ち主が努力で、ウェイターに上がって来ます。
ウェイターには、わかりやすい英語、サービス精神、上品なマナー、料理に知識なども要求されます。
しかし、客室担当のスチュワード(メイド・ボーイ)の方が、チップの実入りが多く、
3年で家を建てる人も多いそうです。

プライドを選ぶか、実質を取るか、その人の人生観によるものなのでしょう。
しかし、いずれにしてもフィリピン人は愛想よく人当たりも良いのですが、
折にふれ「自分は3人子供を残してこの船に働きに来ているです。家族ともめったに会えないんですよ。
皆さんはお金持ちで良いですね」と、問わず語りに言うクルーがが多々いました。
愚痴?いえいえチップの請求です。チップを払う習慣のない日本人にとっては
どうしてよいか戸惑ってしまうばかりでした。

私達乗客は、1日当たり11ドルのチップを既に支払っているので
もう済んだ気持ちでいますが、どうも海外ではそうでないようです。
あれは経営者が取る物で、適正なサービスを得るためには、別にチップを支払うのが常識とか。

「チップをケチり、お客面をする」これが海外で日本人が嫌われる大きな原因だそうです。
習慣のない 日本人にとっては悩ましい問題です。

下の写真はウエイター達です。


東欧系のイケメン。
感じが良くソツない人でしたので、すぐに出世してグリルのウェイターに昇格しました。
グリルはクルーも白人が多いのです。


こちらは、セイシェル出身。
気が利いて愚痴もこぼさず、いつも笑顔で人気がありました。


私のテーブル担当のフィリピーノ
言葉やマナーは丁寧でしたが内心は日本人が嫌いのようでした。

最後の日には、お客がボーイ個々のアンケートを提出するのですが、
その際、彼は「私の評価は必ず最上級に丸を付けてね」と懇願してきました。
このアンケートの結果が給与の査定に大きく響くので真剣です。
皆な一様に頷いていましたが、果たして何人がエクセレント(最上級)にしたでしょうか。
もちろん私は・・・・。たぶん他の人も同様だったと思っています。


こちらもフィリピーノですが、親切と愛嬌の良さから人気がありました。
日本船「飛鳥」で3年働いていたこともあり、サービスも日本仕込で丁寧。
「にしきのあきら」似のイケメンで、日本人を見つけると片言の日本語を操って嬉しがっていた好青年。


東欧出身のウエイトレスのジャスナ。チョッと怖い雰囲気です。
東欧人は、長い共産圏の歴史を引きずって無愛想なクルーがたくさんいましたが、
一方、絵の中から抜け出たような美女もいて思わず振り返ってしまうことも。

1500人もの若い青年男女が閉じ込められた狭い空間のにいるのですから、恋は花盛り
寄港地の船外で彼らと出会うと、しっかりと抱き合ったカップルを何組も見かけて圧倒されました。
ユニフォームを脱ぎ捨てた彼らは青春真っ只中。つかの間の自由を謳歌していました。
(彼らは航海中は無休で、寄港地だけ交代で短時間の休みがありました)
お似合いのカップルもいましたが、中には年の差カップル(女性がかなりの年長組)や、
人種や職種の格差カップルなど見かけギョッとすることも。

このジャスナも南太平洋諸島出身の黒人ボーイフレンドがいましたが
「ママは反対・・・」と悩んでいました。
白人の人種差別は厳しいものがありますから。


東欧出身のソムリエ。ソムリエはレストラン内ではエリート的存在です。
実に良く教育されていて、いつも感心していました。

顔良し、頭良し、マナー良しで、お気に入りのソムリエでした。
こんな彼ですが、船内でノロウイルスが蔓延して、厳戒態勢がとられた時には、
ビニール手袋をはめて、ウイルス駆除対策の仕事も積極的にこなしていました。


バーのウエイターのチャド。長身でスタイル抜群。
いつものユニフォーム姿とは異なり、寄港地で私服のときに出会うとドキッとするほど素敵でした。
彼は自分がハンサムであることに酔っているナルシスト
会う度に優しいこと言葉をかけてハグしてキス。女心をくすぐる術が天性身についている男の子でした。
しかし、噂によると男性の恋人が何人もいるとか。
美しい若い男性によくあるストーリーです。


こちらの2人は、バーのバーテンダーです。客のテーブルでシェーカーを振るっています。

バー従業員は、ほとんど東欧系白人でした。
バーは有料ですので、グリルの客が多く、高級感を醸し出すためには白人が必要なのでしょう。

下はシェフ。白くて高い帽子がトップのコック長のシンボルです。彼らは誇らしげに被っていました。
厨房内では下働きのクルー(右下)とは厳しい一線が引かれていました。


毎晩ボールルーム(舞踏場)では、ダンスが踊られていました。
ダンス目的で乗船する乗客が多いので、ダンス・ホストが15人前後揃えられていましたが
ホストは全員白人。

若い頃はさぞ鳴らしたんだろうと推測される、リズム感とリードでしたがほとんどが高齢者。
中には「ミイラ」というニックネームが付くほどの、飛び切りのオジイチャンも混じっていました。
下の写真は人気NO.1のダンサーの英国人ジョンです。

この写真は早朝撮影したもので、彼の美しさが出ていませんが
夜にフォーマルウェアに着替えると、見違えるほどのハンサムに変身します。
そのためチップを弾んで、親しくなろうとする女性客も多く、
日本人女性客も、まさに「イエローキャブ」そのもの。
40代から70代までがお目当てのホストに突進して白人から顰蹙を買っていました。
何故そんなプライベートなことがバレるかというと、ホスト自らが自慢話を吹聴するからです。


 
ホスト達は、乗組員とはいっても、他のクルー達とは違い、
食事もビッフェは乗客と混じってとる事ができたので、
女性客同士の恋の鞘当もじっくりと眺めることが出来ました。イヤハヤ・・・!
ある意味、ナマの人間模様ですので、女性週刊誌以上に刺激的!

その下は、デモンストレーションの衣装を着けたダンス教師カップル(左右)。
彼らは昼間はダンス講習会の講師をして、パーティのときにデモンストレーションをしていました。

下の写真の真ん中にいるのがキャプテン(船長)です。

フォーマルパーティの際には入り口に立って、乗客一人一人と握手をします。
左側はフルクルーズ・コンシェルジェのデボラ。
右側は日本人ホステストのRさんですが、シドニーからドバイまでの2週間、
日本人客50人が乗船している間だけ乗っていました。

下はやはり2週間だけ乗ってい日本人コーディネーターのN子さん。

3人とも聡明で仕事が出来て素晴らしい女性でした。

彼らは、クルーといえど、正規の社員ではなく、契約社員のようなもので契約期間だけ乗っています。
Rさんは元社員ですが、船内で知り合ったスウェーデン人と結婚して今は英国に在住。
N子さんは美しい人ですが、「結婚するなら日本人。外国人は嫌」という考えで、現在は独身。
船内では、若い日本男性と知り合うチャンスは滅多にありませんから。

下は、正規社員でキャプテンのホステスのジェニファーです。
素晴らしい美人で抜群のスタイルの持ち主でしたが、日本人がお嫌いのようで
こちらから挨拶しても90日間ずっと無視され続けましたで、とても好きにはなれません。

下左は、寄港地で乗・下船乗船のチェックをする担当クルー。
右は海賊を見張るため交代で双眼鏡で警備に当たるクルー。共に女性です。

下右は1500人中、たった一人の日本人クルーのIさん。
マッサージ師です。丁寧なマッサージはとても人気がありました。

フルクルーズメンバーの日本人客A子さんが、パゴパゴ島で骨折した際には、
船長命令で船医に同行して通訳をしていました。英語が出来ないと海外での怪我や病気は1大事件です。
A子さんは、2ヶ月もの長い間片手だけの不自由な船旅を続けましたが、もし私なら途中で下船していたでしょう。
長い船旅は、こういうアクシデントにどう対応していくかがポイントです。
私は万一に供えて英語の診断書(子供の頃からの既往症を含める)を準備したり、
途中下船を考慮して横浜港まで友人に車で来てもらっていました。

Iさんの左の男性は同業でオーストラリア人の婚約者。幸せいっぱいの2人でした。
船内で知り合い結婚まで進むカップルが多くいました。


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 最終更新: 2018/5/25