最後のアメリカ旅(9) 米無しフライド・ライス

かつて日本に住んでいたマリアは「日本人は皆んな異常?に米好き」と
理解しているようです。

ある朝、私の歓迎のために米料理を作ることを思い付き
「今日のランチはあなたの好きなフライドライスを作る」と宣言。
ところが米を炊くまでが大仕事。
以前は私がプレゼントした日本製の炊飯器
愛用していたのですが(ハズバンドのレイが米好きなので)
レイが亡き後は、処分してしまったので
今は炊飯器が無いのです。

そのため電子レンジでご飯を作ってはみたものの
水加減が間違ったのでしょうか、餅のように1つに固まり
大失敗でゴミ箱行き

2回目にようやくご飯らしきものは出来たものの
モコモコに固まっていて、日本人にはとても口にすることが
出来ないようなシロモノです。

私はただただ楽しんで鑑賞するのみ。
所詮アメリカ人が作るフライドライスなのですから
余計な口出しは一切しません。

しかも「ご飯嫌い」なマリアは
なるべくご飯を少なくしたいので
出来上がったフライドライスは、ライスとは名ばかりで
海老とアスパラの具の中にパラパラとご飯が混ざっているもの。
でも彼女は「上手くできた!!」とゴキゲン。

たぶん彼女好み?の
フライドライスだったのでしょう。
 
写真は「フライド・ライス」調理中のマリアを
憮然と見守る90歳を超えるレイの姉

ご主人がグルメだったので、マリアも以前は料理上手で
いろいろ珍しい料理を造ってくれたのですが
ご主人亡き後は、あまり料理をしなくなっていました。

本来自分が好きだったこと、
長い間したいと憧れていたことをするだけに、
時間とお金を費やしています。

チェコで生まれ第2次大戦後は、
難民として命からがらオーストリアに逃れ
進駐軍として駐留していた米兵レイと出会い
カタコトの英語しかわからぬままに愛をはぐくみ結婚。

異国で仕来たりや言語の壁と戦いながら
ここまで生きてきたのですから
ごくろうさん!もう好きなように生きたら」と
肩を叩きたい気持ちでした。

ファミリー・トゥリー
アメリカ人の家庭を訪問すると必ず飾ってあるのが
親族の写真です。
親子は当然で、おじいさん、曾おじいさん、従姉妹、再従姉妹まで
家中に飾ってあります。
マリアの家も同様ですが、
特にレイ亡き後は部屋ごとにレイの写真がありました。

墓参りの習慣を持たない彼らは
「墓には物体だけしかない。魂は私と一緒にこの部屋の中にある。
だから部屋中にレイの写真を置いてあるの」
と語り涙を誘います

上の写真はレイが20歳の記念写真。
下は9人兄弟だったレイの家族。真ん中にいるのがレイの両親。
右端がレイ。左から3番目が今回会ったお姉さん。

ドイツからの移民1世の家族写真です。
貧しいながら毅然とした誇り高さが感じられます。

お別れ会
いよいよマリアの家を立つ日が来ました。
30年に亘るマリアとの交流も今回が最後になるでしょう。
そう思うと感慨も一入です。
空港まではマリアの友人カップル
一緒に送ってくれることになりました。
(マリアはもう高速をドライヴするのは無理なので)

このカップルのご主人はハンサムでマナーの良い素敵な方です。
元パンアメリカン航空のキャプテンだったことが頷ける
物静かで知的な雰囲気を漂わせていました。

しかしアルツハイマー病を発症。
もう幼児と同程度にまで知能が悪化しているとか。
そのため夫人は目が離せず、
どこに行くにも連れて歩かなければならず
大変ハードな日々を過ごしています。

再婚同士のお2人で、結婚当初はエリートキャプテンとの結婚は
玉の輿」と羨ましがられた夫人ですが、
人生どこに落とし穴があるかわからないものです。

途中でレストランでディナーを取りながらも
まめまめしく面倒を見ていました。
夫人は介護疲れを隠して
明るい笑顔で振舞っていましたが
胸が締め付けられるような哀しみが漂っていました。




ヒスパニックで溢れて
クリスマス直前の土曜日とあって、
サンアントニオのダウンタウンは若者で賑わっていました。
しかもそのほとんどがヒスパニック系の貧しげな人々
の姿に驚きました。

ここはメキシコと国境を接するので合法違法を問わず
メキシコ人が以前から多かったのですが、
今夜のように街行く人の7割以上がヒスパニック系なのは
今回が初めてで変わり行くアメリカを身を持って感じました。


 最終更新: 2015/9/4

最後のアメリカ旅(9) 米無しフライド・ライス” へのコメント

  1. 食べ物の写真、習慣はいつも興味をもってみています。また病気の話題も段々身近に感ずるせいか国境を越えて痛みを感じました。

    1. 若いときから健康オタクだったマリアは、今でも多種のサプリメントやハーブなどとっています。会うたびに教わることが多い友人です。

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