イグアスの滝ツアーで出会ったS子さん

上の写真は、路上でダンサーとアルゼンチン・タンゴを踊る外国人観光客。

今日は、イグアス滝ツアーに同行したS子さんから、お礼のメールがありました。
S子さんは、マイアミからロスまで4週間の、ショート・コースに参加していた日本人です。

Sさんは、「グリル」の人でした。グリルとは簡単に言えばファーストクラス
食事も部屋も、サービスも、私達の”その他大勢”とは別格でした。
全乗船客2,500人中の6分の1、約400人の特権階級です。

3泊4日のイグアス・ツアーには22人が参加しましたが、
欧米人の中に一人日本人のS子さんが参加していたので、はじめに私からご挨拶をしましたが
「日本人だからいって付き合わなければならないという理屈はないでしょう」と拒絶されました。

彼女曰く「日本人はマナーが悪い。文句が多い。干渉して煩い、
言葉ができない人が多く、通訳を頼まれるので迷惑だ云々」と。
確かに、ご尤もなお話なので、納得して離れていました。

ツアー一行は下船してアルゼンチン行きの飛行機に乗るための空港に行きました。
ところが待ち時間に私がブルガリア人のツアー・エスコートと話していると
S子さんはツカツカと側に寄ってきて
私達の話を聴いていましたが、それ以来S子さんは
私から離れなくなってしまいました。

つまり私の英語力の方が少しだけ上回っていることを悟ったからです。
英語のツアーとはいえ、ガイドはスペイン訛り、
ツアー・エスコートは、東欧訛りの英語でしたので理解するのが大変でした。

「これからどこに、何時に集まって、何を、どうするのか」を
いつも緊張して聞き漏らさないようにするのは、
かなりの英語力が要求されました。

更に滝見物のために2カ国を出たり入ったり数回するので、
何枚もの入国書類を作成しなければなりません。

その書類はスペイン語ですので、なおさら厄介でした。
困った私は、ゆっくり英語が喋ることが出来て、なおかつスペイン語がわかるアメリカ人の
リンダを見つけました。リンダは元英語教師ということでの易しい言葉で話す技術を持っていて、
大切なポイントを、易しい言葉で説明したり、根気良く書き方や、必要事項を教えてくれました。

ネイティブの外国人にとって「ゆっくり話す」ことは、とても難しいワザのようで
どんなに「わからないので、ゆっくり話して」とお願いしても
出来ない人がたくさんいて途方にくれたことが多々ありました。
何事もマニュアル通りにはいきません。

そんなふうでしたので、私以上に、英語がわからないS子さんが
「お願い!お願い!」と私から離れなくなった次第です。
英語力がないと適切な人を見つけることさえ出来ないのですから
外国船は本当に大変です。

今回の船では、外国人、日本人を問わず、何人もの私の追っかけ(?)と出会いましたが
彼女がその第1号となりました。
(自分でこんなことをいうと傲慢だと思われるでしょうが
船という閉ざされた特殊な異空間では、ある意味みんな時間を持て余しながら
孤独だったのかもしれません)

そんなS子さんは、キュナード社(クイーン・メリーの運行会社)のリピーター歴が十数回というつわものです。
いつもグリル客室に宿泊「もう1億円は支払った」とか。
庶民にとっては”その他大勢”のランクでも、一生に一度の大イベントで、
全財産叩いての乗船ですので驚きました。

更に飛行機はファーストクラスで、特別の許可を取って毎回90キロの荷物を運ぶそうです。
もちろん中にはギッシリと衣装が詰まっています。

船内でグリルの人は、守られています。従業員の数が多いので至れり尽くせりのサービスが
受けられ、英語が堪能でなくても心細い思いをしないように配慮され、
有能で、且つ見場の良い?白人のスタッフが揃えられています。

ところがツアーだけは、”その他大勢”の庶民と一緒の扱いです。
もちろんS子さんは、ツアー・エスコートにたっぷりチップを弾んでいましたので
特別扱いではありましたが、エスコートも一行の中でS子さんだけの面倒を見る余裕がありませんでした。

S子さんは、たぶん悪気はないのでしょうが、常に「あなた達、下の方々は・・」と枕詞に付けるので
あまり気分は良くはありませんでした。
人を見下したタカビーな態度は外人に伝わったようで一行から敬遠されていました。

でも毎日同じ話を聴かされるうちにあまり感じなくなっていきました。
人間なんでも慣れるものですね。

「お金があれば、何でも手に入れられる、お金を払えば良い物が得られる、お金さえあれば幸せ」と
いう拝金主義には抵抗感がありました。
 
この話を船内の外人、日本人の友人にすると「愚か!無駄遣い!寂しいのでしょう」という意見の反面
「私もお金があればそうしたい。誰だってあればそうする。彼女は正直なだけ」と
言う強い反論もあって、人生色々と考えてしまいました。

下がS子さん。いつも華やかなドレスでした。


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 最終更新: 2018/5/25