2012年 新年の決意:「ケア付きマンションからの転居」

アメリカから帰国して2日目、新しい年の始まりです。

新年の夜明け



(バルコニーから撮影)

入ってみてわかったケア付きマンションの問題点

私が、ここケア付きマンションに入居してちょうど1年を迎えました。

健康上の理由から、近い将来自力での1人暮らし不可能になるとの判断から、
1人で生活できる新天地を求めての入居でしたが、
入ってみると予想もしなかった問題が多々あって驚かせられました。

助けを求めにくいナース

第1のセールスポイントである「24時間ナース付き」は、安心が買えるキャッチフレーズで、大きな魅力でした。
しかし現実には、ナースに助けを求める人はごく僅か。
夜中に体調が悪くなっても、寝ているナースを起こすのがはばかられ
遠慮して朝まで待つ人が多いのが実情でした。
共に生活して親しくなることから来る気遣いです。

結局のところ救急車を呼ぶほどの重態の場合は
ナースは居ても居なくても余り関係無さそうだと実感。

お風呂がトラブル

2番目の売りである「温泉付き」も誤算でした。

使用していた源泉が枯渇しつつあるようで
他所からトラックで運び込んで
薄めて使用しているのが実態。

更に風呂場では入浴マナーを巡って
入居者同士の揉め事が絶えないため
煩わしくて温泉大浴場に入らず、
自室のユニットバス(水道水)を使用している人が3分の2もいたのです。

もちろん私も入居後2ヶ月でギブアップ。

楽しくない食事付

第3の「3食付」は、オサンドンから開放されての
上げ膳据え膳」は大きな憧れでもあるのですが
現実には大勢の料理を作って一斉に食べ始めるため、
湯気の立つ暖かいものや、
スッキリとした冷たいものを口にするのは稀。

しかも夕食は5時という早さ。
いまどきの病院食より早いのです。

さらに1日3食をダイニングでとると
いつでも食事時間のスケジュールに追われて
まとまった自由時間がとれません。

悠悠自適な田舎暮らしは夢?

自炊も可となっていますが、買い物に不便な場所にあるので
日常のショッピングはかなりの大仕事。
またこちら熱海市は有名観光地ですが
若者が少なく消費者がいないから
商品が少なく品揃えも寂しい。
東京育ちで物が溢れていて当然という都会にしか
暮らしたことがない身にはなんとも侘しい限り。

シニアとなる今日まで、どこでどうやって暮らしてきたかが
田舎暮らしが出来るかどうかの
大きな要素となる事を始めて知りました。

暇人は過干渉

入居者はリタイアした人がほとんどで、仕事が無い、
いわば暇人の集まり
その上外出機会もなく、ほとんどを館内で過ごす人が多いので、
外からの刺激が無い生活です。

そのため他者への好奇心が強く、
メンバーの動静に敏感で
職歴、出身地、家族構成、病歴、趣味など
あっという間に広まり、プライバシーなどは存在しません。

これをよく言えば「和気藹々の家族的雰囲気の仲良し
とでも言うのでしょうが
時として煩わしくて、息が詰まりそうな圧迫感でした。

温かく見守られているということは、
大勢に監視されていることでもあるのです。

エリートとの差別

また現役時代のエリート達や、現在での仕事での評価から
10人ほどのエリート・グループが存在しました。
上場会社のかつての重役陣、現役を続ける芸術家、学校経営者などは
フロントも入居者も一目置く特別扱い

強いものに巻かれるのは、世の習いとはいえ
やはり、ここも浮世の延長線上にありました。
だから有馬稲子など有名人の体験コメントは
まったく当てにならないということです。

ゴネ得の社会

更に「古い人は正しい」というルールがあって
内部の決め事は多数決ではなく、
入居歴の長い人、声の大きな人の発言によって決まります。

私のように若い?60代の新参者には発言権もなく
フロントに訴えても、相手にもされないというのが実態。
まさに「ゴネ得」が生きている封建社会が歴然と残っていました。

新人いじめ

また幾つかの派閥があります。
当初はどこにも属さず、自由に生きたいと思って入居しましたが
そんなことでは、上手く生活出来ないことを悟らされました。

入居3ヶ月にして、新人いじめの洗礼を受けましたが
絶望にくれていた時、手を差し伸べてくれた方が2人居ました。
2人とも素晴らしい方ですが、そのうち1人の方と気があったので、
自然とそのグループに所属?することになりました。
すると意地悪だった入居者達も優しく変身、
フロントの対応も親切に変わり、居心地欲過ごすことが出来ました。

つまりこのリーダーの力により、私は守られたことになり
「世の中ってこんなんだった」と
改めて浮世の処世術を学びました。まさにヤクザの親分子分の世界

私のリーダーは、元S商事重役夫人。
見識、行動力、洞察力、経済力に優れた尊敬に値する逸材です。

逆に良い点は…

もちろん良い面もたくさんあります。

風光明媚が売り

最大の売りである「風光明媚」は変わらず、
眼下の相模湾の美しい大海原を眺めて暮らせる
贅沢は大きな魅力です。

また温暖な気候と、建物の構造が合いまって
冬暖かく、暖房要らずの心地良さ。
さらに常に人に囲まれているので、人恋しさや寂しさはありません。

気楽に気の合う仲間とお喋りができるので
ある意味では楽しい時間が気楽に持てます。
その上この入居者は資産家が多いので、平均学歴が高く
知的で前向きに人生を捉えています。

そのためゴルフ、ビリヤード、マージャン、旅行、
カラオケ、コーラス、読書会、絵画、陶芸等等
積極的に趣味に打ち込む姿がみられます。

長寿の源かも

こちらの平均年齢は80歳ですが、世間の80歳とは大きく違い
みんなとても若いのです。ここでは80歳は若手
90歳になってから初めて高齢者扱いになります。
90代になってもラジオ体操をして
マージャンやビリヤードを楽しみ
元気に館内を闊歩しているのです。

いつでも身奇麗に整え談論風発、お口も達者です。
そのため自己主張が強くもめごとも起き易いのですが。
 
つまり人間はキチンと管理されたスケジュールの中で
互いに監視しあい、ある程度のストレスを受けながら
身奇麗にして常に緊張して生きることが
心身の健康に繋がり
それが長寿の要因かもしれません。

アメリカで自由を再確認

しかし生来怠け者で、自由を愛し、干渉を嫌う私には、
決まりきったルールのなかで大先輩にかしずいている
暮らしが苦痛になってきています。

特に自由なアメリカで1ヶ月間暮らして帰国した身には
この重苦しい雰囲気がとても苦しく感じられます。

「もう少し辛抱してみよう」と自分をなだめて今日まで来ましたが
もう我慢の限界
シニア計画の失敗で世間様に恥ずかしいという思いはありますが
ここで「エイー!ヤー」と大英断、「誤ちを改めるにはばかることなかれ!」と自らを鼓舞しています。

私の入居を反対していた友人達からは
「だからいったじゃじゃない!」と
非難の声も上がりましたが、
「やってみないとわからないこともあるのだから。
早く決断してよかったよ」という励ましもありました。
確かに70代になってからでは英断はできなかったかもしれません。

まだ体力が残っている60代の今だからこそ、転居することを迷いません。

さあ、これからは忙しくなります。
まず新居探し、そしてこのマンションの売却です。
多忙な年明けとなりましたが、
人生の坂を越えるために、
力を振り絞ってもう一頑張りしようと決意しました。

元旦の祝い膳


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 最終更新: 2017/10/27