九州の旅(22) 大人?の資料館「市山亭懐古館」へ(大分・日田)

いちやまてい

観光客で溢れる日田の町ですが、「日本丸館」と同様に静かな資料館がありました。
料亭跡「市山亭懐古館(しざんていかいこかん)」です。

徳川時代に天領として栄えた日田随一の料亭がこの市山亭でした。
明治時代には森鴎外が来亭して「小倉日記」に認め、昭和に入ってからは
徳富蘆花ら文人も多く来亭、また7年には李王殿下
宿泊されるという輝かしい歴史を誇っています。

200年に亘って多くの代官、文人墨客に愛されて、繁栄して来ましたが
昭和19年に幕を閉じました。

ここには料亭時代に蒐集したリ、寄贈された美術品、書画、骨董が展示されています。
粋で煌びやかな町人文化のコレクションです。

鬼瓦・厨房器具コーナーには、重厚な鬼瓦と京料理を生み出した厨房器具、
大広間には江戸時代から続く陶器、磁器を展示、
節句・人形の間は贅を尽くした武者人形や家紋入りの稚児衣装。
文人・墨客の間には田山花袋、徳富蘆花、双葉山、今東光、開高建などの俳画や色紙
逸雲の間には木下彩雲が描いた襖絵があり、この座敷は嘉永年間に
建てられた当時のままに残されている貴重なものです。

そして、片隅のひっそりとした小部屋には、美術品・市山亭コレクションの間がありました。
「興趣溢れる美術品・粋の心がふんだんに盛込まれていて一見の価値が」と記されおり
部屋の入り口に「未成年お断り」の張り紙が納得できる部屋でした。

そこに並べられていたのは、私の予想を覆す品々、いわゆる春画の類ですが、
美しい骨董品の陶器の人形や猫の置物の下部に隠されて作ってありました。
「ウーン!さすが料亭のコレクション」と感心。

古きよき時代の珍しき雅に触れて、入館料350円は安かったかも。
日本丸館と並んで異色の資料館で深く記憶に残りそうです。


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 最終更新: 2016/1/27